Iメッセージ
I-message あいめっせーじ
定義
Iメッセージとは、「あなたは〜だ」と相手を主語にする代わりに、「私は〜と感じる」と自分を主語にして気持ちや要望を伝えるコミュニケーション技法です。相手を責めるニュアンスを減らし、対話を続けやすくする工夫として、親子関係や職場の対話で広く使われています。
意味と背景
「なんで連絡してくれないの?」と言われると、責められたように感じて言い返したくなります。同じ内容でも「連絡がないと、私は心配になる」と伝えられると、受け止めやすくなります。この後者のような伝え方がIメッセージ(I-message)です。
Iメッセージは、臨床心理学者トマス・ゴードンが親子関係の訓練プログラムの中で広めた技法です。相手を主語にした「Youメッセージ」(あなたはいつも〜だ)は、事実の指摘のつもりでも非難や決めつけとして届きやすいのに対し、Iメッセージは「自分の内側で起きていること」を伝えるため、相手が反論や防衛をしにくいと考えられています。
基本の形は「(相手の行動)があると、(自分への影響)なので、私は(気持ち)」という3点セットです。例:「会議の資料が前日に届くと、確認の時間が取れなくて、私は焦ってしまいます」。
研究では何がわかっているか
Iメッセージについては、YouメッセージよりもIメッセージの方が受け手の反発や防衛的な反応を招きにくいことを示す実験研究がいくつかあります。親訓練プログラムや学級経営の文脈でも、構成要素の1つとして効果が検討されてきました。
ただし、Iメッセージ単独の効果を検証した研究は数が限られており、規模も小さいものが中心です。また、皮肉な口調で言えばIメッセージの形をとっても非難として伝わるなど、「形式だけでは機能しない」ことを示唆する知見もあります。有望な技法ではあるものの、科学的検証はまだ途上と考えるのが誠実です。
実践のヒント
- 不満を伝えたくなったら、まず「私は何を感じているか」を自分の中で言葉にする
- 「いつも」「絶対」という決めつけの言葉を外し、具体的な1つの場面について話す
- 気持ちを伝えた後に、「〜してもらえると助かる」と要望まで添える
関連用語との違い
アサーションは自他を尊重する自己表現という考え方の全体を指し、Iメッセージはそれを実現する具体的な技法の1つです。似た言葉のアイコンタクトは視線の技術であり、Iメッセージとは関係がありません。